-上原正稔が琉球新報を提訴した時点(2011年2月1日)の新聞メディアの反応-

琉球新報

「連載掲載拒否」本紙を提訴

表現の自由を侵害されたなどとして、那覇市のドキュメソタリー作家、上原正稔さん(68)が1月31日、琉球新報社を相手に慰謝料など約1千万円の損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。
2007年5月から琉球新報タ刊で連載された「パンドラの箱を開く時」をめぐり、琉球新報社から途中の原稿の掲載を拒否され、表現の自由侵害などで精神的苦痛を被ったと主張している。
琉球新報社は「連載を一方的に止めた事実はない。従って『表現の自由の侵害』には当たらないと認識している」としている。

沖縄タイムス

掲載一部拒まれ作家が賠償提訴

新報社を相手に

新聞で長期連載された著作の一部の掲載を拒否されたなどとして、原稿料を受け取る機会を失った上、精神的苦痛を受けたとして、那覇市のドキュメンタリー作家上原正稔さん(67)が31日、琉球新報社を相手に約1046万円の損害賠償を求める訴えを那覇地裁に起こした。
訴状などによると、2007年5月~08年8月にかけて琉球新報紙上で掲載された上原さんの著作「パンドラの箱を開く時」の一部について、新報社から「社の編集方針に反する」として、掲載を拒否されたとしている。掲載されなかったとされるのは「慶良間の集団白決の真椙に迫る第2話『慶良間で何が起きたのか』」など51回分。
上原さんは訴状で「『集団自決』の真相を広く県民に伝えようとした表現を封殺するもので、表現の自由を保障する憲法に違反している」と主張している。これに対し、新報社は「訴状を検討した上で対応するが、連載を一方的に止めた事実はない。従って表現の自由の侵害には当たらないと認識している」とコメントした。

世界日報

作家の上原正稔氏琉球新報を提訴

沖縄戦連載無断打切りで

沖縄県在住のドキュメンタリー作家の上原正稔氏は31日、長期連載が無断で打ち切られた問題で、琉球新報に対して未掲載分の原稿料と慰謝料合わせて約1045万円の損害賠償を請求する訴訟を那覇地裁に起こした。
沖縄戦の詳細な現地調査を行ってきた上原氏は、集団自決の真相を解明すべく、2007年5月26日から「パンドラの箱を開く時」を琉球新報夕刊に掲載を始めた。しかし、慶良間の集団自決問題の真相に触れると、「社の方針に相違する」との理由で中断に追い込まれた。大幅な改変を余儀なくされ、4カ月後に執筆を再開したが、最終章の原稿の掲載を拒否され、未完のまま終了した。
上原氏は沖縄県庁で31日に開いた記者会見で開口一番、沖縄戦における赤松嘉次、梅沢裕両隊長に対して「大変なご迷惑を掛けた。ごめんなさい。許してください。そして同時にありがとうと言いたい」と述べ、両隊長による「集団自決の命令がなかったことは火を見るより明らかだ」と強調。さらに「真実を伝えるのがマスコミの使命だ」と訴えた。
原告の代理人弁護士の徳永信一氏は「原稿受け取りを拒否し連載を打ち切ったのは、契約違反である。事実に基づく真相の探求を封じたことは個入の表現の場を一方的に奪ったものであり、公正で不偏不党な報道という社是に背反し編集権を逸脱する」と述べた。

inserted by FC2 system